極上溺愛契約婚で甘やかされて～エステで出会ったセラピストは御曹司でした～

　玲は文武両道の成績かつその容姿から多くの女子と男子にモテていた。いつも彼の周りには人だかりが出来ていて賑やかだった。

「玲くん！　こっち向いて！」
「きゃああっ玲くんかっこいい！」
「なあ、玲！　サッカーしようぜ！」
「えぇ、玲は俺達とバスケするんだよ！」
「ちょっと男子！　玲くんを独り占めしないでよ！」

　このような具合に玲の周囲にはいつも人だらけだった。時には玲を巡って諍いも起きるので玲はその仲裁にあたる事もあった。
　玲が初めてラブレターを貰ったのは中等部1年の時。相手は同じクラスの女子だったが玲はよくわからずに断った。

「あの、友達じゃあだめかな？」
「玲くん……そうだよね、ごめん……」
（恋と言われてもよくわからないんだよなあ）

　玲は学生時代、多くのラブレターを貰ったうえ、多くの告白にバレンタインチョコを貰ったが、そこには運命の出会いというべき相手はいなかったのだった。
　それに結婚相手なんて、両親がいつか適当に見繕って連れてきてくれるかもしれない。などと大雑把に考えていたのである。
　それは妹の十和も同じだった。