極上溺愛契約婚で甘やかされて~エステで出会ったセラピストは御曹司でした~
 美幸は自身に近寄る男を利用し、あの手この手で十和の婚約者を狙った。

「私と一緒に買い物行きましょ?」
「ああ、予定が……」
「じゃあ、勉強教えてください♡」
「それも忙しいから……」

 十和の婚約者も必死に我慢した。美幸の常軌を逸した誘惑は十和や玲の耳にも入って来た。
 ちなみに美幸は十和には直接手を出していない。その代わり仲間達に十和がわがままで美幸が付き合っていた男性を寝取ったとかそう言った根拠の無い噂を流していた。噂が流れていたのは玲も把握しているが、それが美幸の仕業である事はまだ知らない。
 美幸の指示によって流された噂は十和の婚約者の耳にも入った。

「なあ、十和……ほんとなのか? 男を寝取ったりしたなんて」
「そんな事するわけないじゃん」
「……すまない。信じられない」

 この悪評により、十和の婚約者は疑心暗鬼になり彼の心は次第に美幸に傾いていった。そこに追い打ちをかけるように美幸はある罠を作った。それは十和の婚約者が美幸に手を出したという話である。
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