極上溺愛契約婚で甘やかされて~エステで出会ったセラピストは御曹司でした~
 お味噌汁は豆腐と白ネギが入ったもの。米麹の味噌は昨日玲の家で朝食で食べたものと同じものだ。食卓にご飯と味噌汁にマイ箸を置いて挨拶をしてから食べる。
 ご飯は程よく醤油の味が染みわたっており、細かく千切りされたごぼうも柔らかくて美味しい。鶏肉もごろっと入っている。

「うん、美味しい」

 母親も食卓に自身のご飯と味噌汁、マイ箸を持って食卓にやってきて朝食を食べ始めた。ご飯をまくっと口に入れ美味しいと顔をほころばせている。
 朝食を食べ終えた後は部屋に戻り服に着替えて出勤の準備を進める。

「あ、スマホスマホ」

 充電していたスマホを充電コードから抜くとぱっと画面が光る。待ち受け画面を覆い隠すようにして同僚からのメッセージの一部が表示された。

「なんだなんだ」

 メッセージをタップして開くとそこにはこんな事が記されていた。

「体調大丈夫? あと今日からしばらく残業なしだって」
(あ、仮病使ったんだった)

 私の体調を心配する文章と、しばらく残業は無しという言葉に昨日の玲とのやりとりがしっかり反映されているのを確認できたのだった。

(よかったあ……)

 スマホをバッグに入れた後はメイクなど支度を済ませて家を飛び出るようにしてベリが丘に向かっていった。
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