極上溺愛契約婚で甘やかされて～エステで出会ったセラピストは御曹司でした～

「倉田先輩、マッサージ店てどこにあるんですか？」
「私も行きたいです！」
「どんな場所なんですか？」
「イケメンセラピストいるって本当ですか？」

　次々と同僚と共に質問攻めに合い、少しずつ質問に答えている所で総務部の部長が部屋に入ったら来た。
　部長は中年の女性で華奢ですらりとしていつも長い髪を1つに束ね黒いスーツを身に着けている。

「はいはい皆さん席について」

　総務部長の指示で後輩や同僚達は蜘蛛の子を散らす勢いで静かに自らのデスクへと散らばっていく。

「皆さん。もうご存知かもしれないけど今日は何人か別の部署に手伝いに行って貰っています。なので仕事はあなた達で頑張って。以上」
「は、はい！」
「あと倉田さん。昨日は大丈夫？」
「え、はい……もう大丈夫です」
「先輩方があんな事言っててごめんなさいね。あの人の代わりに謝るわ。無理はしないようにね」

　総務部長が言っているのは、玲のお手伝いさんが電話をかけた際に熱があっても来るようにと言っていた部分だろう。