極上溺愛契約婚で甘やかされて~エステで出会ったセラピストは御曹司でした~
「鍼灸って……鍼さすやつですよね?」
「はい。灸はお灸ですね」

 私は鍼治療もお灸をした事も整体に行った事も無い。整体に関しては母親が近所の接骨院にちょくちょく行っているので彼女から評判を聞くくらいだ。

「お母さん、整体どんな感じ?」
「結構いい感じよ。すっきりするし」
「へえぇ」

 一度整体行ってみようかな。と呟きながら、私はうつぶせ寝のまま玲からマッサージを受けている。足元が終わると次は腰、そして背中と肩へとマッサージする場所は移っていく。

「ああ、雪乃さん。明日の事なんですけどいいですか?」
「あっはい。どうぞ」
「明日は雪乃さん普通に仕事ありますよね?」

 明日は平日で有休も今の所取っていないので普通に仕事はある。ああ、でもよくよく考えたら当日の午前中までに申告すれば半休が使えるのか。
 だが、あのお局達がそれを許すとは思えないが。そのまま仕事を定時までこなしてから婚約披露のパーティーに向かうという手もあるにはあるが、それだと今度はパーティーの時間に間に合うのかどうかが気になる。

「……玲さん。半休って使えます?」
「半日有休取るのであってます?」
「そうです。それです。定時まで仕事こなしてから行くのでも私は大丈夫ですけど、時間とか大丈夫かなって」
< 69 / 146 >

この作品をシェア

pagetop