極上溺愛契約婚で甘やかされて~エステで出会ったセラピストは御曹司でした~
「……できれば半休取って頂いた方が時間的には余裕があるので……」
「ですよねえ……」
(あの人達がそれを許すかどうか)
「もしかして先輩方の事が引っかかってます?」
「そうなんですよ……」

 やはり玲にはお見通しだったようだ。
 私は観念しながら肯定すると、玲は穏やかにご心配なく。と言い出した。

「彼女達は明日から別の部署や支店に左遷になりました。あと何人かはリストラって事で」
「えっ……? まじですか?」

 彼女達が一気に左遷&リストラされたという事実に驚きを隠せない。何があったのか。これも玲の指示した事なのだろうか。

「何かあったんです?」
「彼女達があなた方へ残業を押し付けていたのをはじめ問題行動を総合して判断した結果です。それに兼業してたりと社内規則違反にあたる行為も確認されましたからね」
(ああ……なるほど……パパ活してた先輩いたしなあ……)
「そうでしたか」

 という事はもう彼女達とは仕事しなくても良いという事か。今は中々その事実を飲み込めずにはいるが、少しずつ嬉しさが胸の内から芽生え始めてきた。

「ありがとうございます。玲さん」
「いえいえ。引継ぎはマニュアルがありますのでそれを見て。と父親が言ってましたので安心してください」

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