極上溺愛契約婚で甘やかされて~エステで出会ったセラピストは御曹司でした~
 仲居さんからの問いに玲は座りながら部屋の中央に配置されたお品書きを取り、1枚めくって右側に記載された懐石料理を指さしながらこれください。と注文した。

「かしこまりました」
「雪乃さんは?」

 玲からお品書きを手渡された私は1枚1枚ぺらべらとめくっていく。

(あ、これ)

 目に留まったのは釜飯の懐石料理。釜飯は鶏釜飯と鮭釜飯の2つを選べるようだ。

「じゃあ、この鶏釜飯のをください」
「かしこまりました。では少々お待ち下さい。お茶ご用意します」

 仲居さんが一度部屋から退出し、部屋の中は2人っきりになる。
 それにしても部屋は宴会場並に広いし、茶色く木の年輪がはっきりと見えるピカピカの机も大きい。

(料亭に来るなんて初めてだ)
「雪乃さん、釜飯の懐石料理にしたんですね」
「えっ、あっはい。炊き込みご飯好きなので」
「ここの釜飯は美味しいですよ。味濃い目で具材もゴロゴロ入ってるので」

 ちなみに玲が注文した懐石料理にも釜飯がついているようだ。そこに更に刺身の盛り合わせやお肉の蒸し料理などが含まれている。
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