極上溺愛契約婚で甘やかされて~エステで出会ったセラピストは御曹司でした~
「えっこのまま写真撮るんですかぁ?!」
「ええ、いいじゃないですか。ぜひ撮りましょうよ」

 にこにこと満面の笑みを浮かべている玲にそう言われると、断るのは無理だ。私は仕方なく頷くと玲は一度私を降ろし、ズボンのポケットに入っていたスマホをお手伝いさんに渡してもう一度私を軽々と持ち上げてお姫さま抱っこしたのだった。

「はい、チーズ」

 パシャッ

「はい、撮れました。良い感じです」
「ありがとうございます」

 玲から降りた私はお手伝いさんから玲のスマホを受け取り玲に渡した。確かに良い感じに写っているように見えた。

「これ待ち受けにしようかな」
「え」
「だって良い感じでしょう?」

 自信たっぷりかつ当たり前だと言うような玲の顔が私は眩しく見えたのだった。

「では、そろそろ現地に行きますか? まだ時間はありますが」
「うーーん……」

 今は16時過ぎ。パーティーまではまだ大分時間がある。
 かと言って何か暇つぶしをするとしても良い暇つぶしが思いつかないでいた。

「じゃあ、どこか買い物にでも行きますか?」
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