極上溺愛契約婚で甘やかされて~エステで出会ったセラピストは御曹司でした~
「買い物ですか?」
「はい。ベリが丘のサウスエリアにはショッピングモールがあります。カフェとかもありますし、暇つぶしには丁度良いでしょう」

 そう言えばサウスエリアにはショッピングモールがあったか。私はまだ行った事は無いがこれを機に行くのはありかもしれない。

「では、そちらに行きましょう」
「決まりですね、では」

 こうしてパーティーの前にサウスエリアのショッピングモールで時間を潰す事になった。
 車で高級住宅街からショッピングモールまで移動する。車から降りると広大な敷地を誇る真新しさと高級感とカジュアルさが複雑に降り混ざった雰囲気を漂わせるショッピングモールが姿を現す。

(ここそんなに広かったのか)
「雪乃さん、どちらから行きますか?」
「えーーっと……」
(どんな店があるかはよくわからないからなあ……)
「では、まず服かコスメから見ていきますか?」

 玲が助け舟を出してくれたおかげで私はコスメを見る事に決めた。早速コスメを取り扱うお店の多いフロアに向かうと、高級ブランドの化粧品を取り扱うお店があちこちに見える。
 それにコスメの容器や鏡から反射される光できらきらと輝いている。

「いらっしゃいませ」

 私達を見つけたのか、黒いスーツに髪をひっつめた若い女性がこつこつと歩いてこちらへと現れる。彼女が高めの声で何か化粧品をお探しですか? と質問してきたので私はそうだ。と返した。

「どのような化粧品ですかね?」
(ファンデーションと下地はあれで良いとして)
「雪乃さん、アイシャドーとかリップとかはどうですか?」

 玲が私の耳元でそうつぶやく。リップは今使っているものがまだ余裕があるはずだ。アイシャドーとチークは……そろそろ新しいものを買うべきかもしれない。

「あっじゃあ、チークとアイシャドーを……」
「わかりました。ではこちらへどうぞ」
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