極上溺愛契約婚で甘やかされて~エステで出会ったセラピストは御曹司でした~
 店内にある商品棚と一体化したドレッサーに案内されて黒いベルベットの四角い椅子に座り、鏡を見る。

「もうメイクはしっかりされていますけど、落としてもう1回付けますか? それともメイクは落とさずに色だけ見ます?」
「ああ、色だけでお願いします」

 お手伝いさんが塗ってくれたメイク全てを落とすのはもったいないし、落としてまたメイクしなおすのもめんどくさいので色だけ見る事にした。
 店員さんが自身の右手の甲にアイシャドーを塗る。色はピンクと水色とピンクと茶色が混ざったものの3種類だ。どれも色は薄めでファンデーションとの相性もよさそうに見える。

「どれにしようかな……どれが1番人気ですか?」
「このベージュカラーになります」
(ピンクと茶色が混ざって見えるやつか。これなら合わせやすそうだな)
「じゃあ、それ1つ買います」

 私が選んだのはベージュのアイシャドー。それと薄めのピンク色のチークも購入した。支払いは玲が料亭で見せたのと同じようにクレジットカードで支払ってくれた。
 また会計時に店員さんから会員登録も進められた。会員登録するとポイントがたまり、ある程度たまると割引が可能という事で入会してみたのだった。

「ありがとうございます。またのお越しをお待ちしております」
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