極上溺愛契約婚で甘やかされて~エステで出会ったセラピストは御曹司でした~
 満面の営業スマイルを浮かべる店員さんに見送られながらお店を後にする。
 その後は玲に案内される形で服を見に行ったりカフェで飲み物を飲んでいると時間はすぐに経過した。

「そろそろ現地へ行きましょう」
「そうですね」
(また行きたいな)

 車に乗り込み婚約披露のパーティーが行われる会場があるビジネスエリアにあるツインタワーへと向かう。ツインタワーの高層部にはVIP専用のレストランやラウンジがあり、今回のパーティーはそのレストランを貸し切って行われる。
 ベリが丘の街は夕日が沈みかけている。人通りも車も随分と多くなった。

「到着しました」
 
 ツインタワーの目の前にて車は止まる。車から降りてツインタワーを見上げるとここまで大きかったのか……と思わず口に出していしまいそうなほどの驚きを覚えた。

「わあ……」
「ツインタワーに来るの初めてですか?」
「はい……いっつも遠くから眺めているだけだったので」
「ここ思った以上に広くて大きいんですよ。また中に入ると分かります」

 すると玲が私の左手を握り、歩き始めた。彼と手をつないで歩くのにちょっと恥ずかしさを覚えつつも私は彼へ歩調を合わして歩いていく。

(あ、ちょっと半歩くらい後ろにいた方が良いのかな)

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