極上溺愛契約婚で甘やかされて~エステで出会ったセラピストは御曹司でした~
 元気のにやりとした笑みに呼応するかのように玲も口角を歪ませた。そして互いに手を差し出しがっちりと握手を交わしながら玲はパーティーに参加すると言う意志を元気に見せた。

「勿論行く。雪乃さんも行くよね」
「はい、勿論です!」

 当然だ。私も一緒に行く。そこに迷いは一切なかった。
 やられる前にやらないといけない。

「じゃあ、また詳しい事が決まったら連絡するよ」
「わかった。夏子さん、体調は大丈夫?」

 夏子の顔色はだいぶ良くなり、呼吸も整ったように見える。玲からの問いかけに対しても明るく大丈夫です。と答えたのだった。

「それなら良かった。もうしばらくここでいましょう。ご飯食べないと」
「そうだな。腹が減ってはなんとやらだっけか」
「戦はできぬ。な」
「ああ。それだそれだ。ははっ」

 4人でプレートに盛られた食事を楽しみながら、談笑をしているとあっという間に時間は過ぎる。
 気が付けばラウンジの壁に設置された壁掛けの黒い時計は21時を示していた。
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