極上溺愛契約婚で甘やかされて～エステで出会ったセラピストは御曹司でした～

「じゃあな。また連絡する」
「ああ、元気頼むよ」
「おう任せろ」

　食事を全て頂いた私達はラウンジを離れ、ツインタワーの真下で元気と夏子と別れた。私は玲と共に車に乗り込み高級住宅街にある玲の家へと向かう。両親には今日は泊まると伝えてあるので連絡は気にしなくて良い。
　それにしてもパーティーで様々な事が起こったせいか、情報量の多さに脳が疲れているような気がしている。

「雪乃さん、お疲れですか？」
「えっ……そうですね。少し……」

　疲れの色は顔にも表れていたのか、玲から声をかけられる。正直に疲れている事を告げると彼は私の手を握った。彼の優しい温かな温度が身体全体にじんわりと伝わってくる。

「帰ったらマッサージしましょう。全身しっかり揉みほぐしてさしあげます」
「……ぜひお願いします」

　こういう時は彼のマッサージが必要だろう。無理は良くない。
　車はベリが丘のキラキラ輝く夜の道を縫うように移動し、玲の自宅前に到着した。車から降りるとすぐさまお手伝いさんが家のドアを開けて私達を出迎えてくれる。

「おかえりなさいませ」
「ああ、ただいま」
「ただいま戻りました」