ジングルベルは、もう鳴らない
「あ、平野くん。もしかして?」
「あぁいえ。樹里さんは上司です」
嫌な予感が的中した気がして、大樹を睨み付けたい気になる。これから交渉をしようという相手に、プライベートな話ばかり持ち出されたくない。それが例え斎藤だとしても、だ。
「斎藤さん。本日は仕事で参りました」
「仕事、ですか」
「はい。アポを取らずに伺いまして、申し訳ございません。少しお時間をいただけませんでしょうか。お忙しいようでしたら、お手隙の時間に再訪いたします」
「あぁ、えっと。今でも大丈夫です、よ?」
アポを取ってから来ようかとも思ったが、最近は悪ふざけと捉える店もあると聞いた。先ず顔を見せて挨拶をしてから、相手に合わせるつもりで出て来ている。昼食とカフェタイムの合間を突いて来たのが良かったか。ありがとうございます、と頭を下げ、斎藤が手招いた席に大樹と腰を下ろした。
「あぁいえ。樹里さんは上司です」
嫌な予感が的中した気がして、大樹を睨み付けたい気になる。これから交渉をしようという相手に、プライベートな話ばかり持ち出されたくない。それが例え斎藤だとしても、だ。
「斎藤さん。本日は仕事で参りました」
「仕事、ですか」
「はい。アポを取らずに伺いまして、申し訳ございません。少しお時間をいただけませんでしょうか。お忙しいようでしたら、お手隙の時間に再訪いたします」
「あぁ、えっと。今でも大丈夫です、よ?」
アポを取ってから来ようかとも思ったが、最近は悪ふざけと捉える店もあると聞いた。先ず顔を見せて挨拶をしてから、相手に合わせるつもりで出て来ている。昼食とカフェタイムの合間を突いて来たのが良かったか。ありがとうございます、と頭を下げ、斎藤が手招いた席に大樹と腰を下ろした。