ジングルベルは、もう鳴らない
「ご、ごめんなさい。お洋服、汚れてませんか」
「あ、いえ。こちらこそ、すみません。ぼぅっとしていて、ワンちゃんの気に障るようなことを」
互いにペコペコと頭を下げ合っていた。四十代後半、五十代くらいだろうか。白髪交じりのふわりとした髪が揺れる。
「あ、いえ。多分、違います……もしかしたら、お姉さんに撫でられたいのかも」
「へ?」
「本当にすみません」
また申し訳なさそうに頭を下げる飼い主に対し、犬の方は確かにルンルンと尻尾を振っている。柴犬だろうか。確かに、撫でて欲しいと言っているように見えた。
「あの、撫でても大丈夫ですか」
「えっ、あ。いいんですか。わぁ。ありがとうございます。ブンタ、良かったな」
飼い主の問い掛けに、ブンタは嬉しそうに尻尾を振った。それがまた可愛らしくて、縮こまった心が僅かに解けた気がした。ブンタに目を合わせ、しゃがみ込む。見つめ返すクリクリとした瞳は、嬉しそうに輝いた。
「あ、いえ。こちらこそ、すみません。ぼぅっとしていて、ワンちゃんの気に障るようなことを」
互いにペコペコと頭を下げ合っていた。四十代後半、五十代くらいだろうか。白髪交じりのふわりとした髪が揺れる。
「あ、いえ。多分、違います……もしかしたら、お姉さんに撫でられたいのかも」
「へ?」
「本当にすみません」
また申し訳なさそうに頭を下げる飼い主に対し、犬の方は確かにルンルンと尻尾を振っている。柴犬だろうか。確かに、撫でて欲しいと言っているように見えた。
「あの、撫でても大丈夫ですか」
「えっ、あ。いいんですか。わぁ。ありがとうございます。ブンタ、良かったな」
飼い主の問い掛けに、ブンタは嬉しそうに尻尾を振った。それがまた可愛らしくて、縮こまった心が僅かに解けた気がした。ブンタに目を合わせ、しゃがみ込む。見つめ返すクリクリとした瞳は、嬉しそうに輝いた。