ジングルベルは、もう鳴らない
「小笠原さんと寝たのね」
もう面倒臭い。ズドンと核心を突いてやった。こんな言葉発したくなかったけれど、誤魔化されるのはごめんだ。顔を上げた千裕は、大きく目を見開く。何を思っているのだろう。ただ間違いなく彼の瞳に映っているのは、ひどく怒り、自分を蔑む樹里の顔である。
「千裕。私は、これをくれたの本当に嬉しかったよ。指輪の話だって、疑わなかった。でも、これ小笠原さんと見に行ったのよね? どうせ、樹里にあげたいけど分からないからとか言ったんでしょ。違う?」
「ちが、う……よ」
「本当ね? 信じていいのね? あの子にも確認するよ」
「あ、それは……」
「それは?」
「止めてください」
ガクンと肩を落とした。千裕はもう観念したのだろう。今度指輪を買いに行こう、と言われひと月も経たずに、こんなことになるとは思いもしなかった。好きだと言う感情は、もう起こりそうにない。こんな男、香澄にくれてやる。
もう面倒臭い。ズドンと核心を突いてやった。こんな言葉発したくなかったけれど、誤魔化されるのはごめんだ。顔を上げた千裕は、大きく目を見開く。何を思っているのだろう。ただ間違いなく彼の瞳に映っているのは、ひどく怒り、自分を蔑む樹里の顔である。
「千裕。私は、これをくれたの本当に嬉しかったよ。指輪の話だって、疑わなかった。でも、これ小笠原さんと見に行ったのよね? どうせ、樹里にあげたいけど分からないからとか言ったんでしょ。違う?」
「ちが、う……よ」
「本当ね? 信じていいのね? あの子にも確認するよ」
「あ、それは……」
「それは?」
「止めてください」
ガクンと肩を落とした。千裕はもう観念したのだろう。今度指輪を買いに行こう、と言われひと月も経たずに、こんなことになるとは思いもしなかった。好きだと言う感情は、もう起こりそうにない。こんな男、香澄にくれてやる。