ジングルベルは、もう鳴らない
「樹里さん、やだ走らなくたっていいのに」
「あら、やだ」
「私に早く会いたかったんですねぇ」
「あぁそうなんだよねぇ」
「棒読み、棒読み。心が籠ってないですよ。もう」
早々にキャッキャとはしゃいでみる。そこまで砕けた関係ではないのに、まるで昔からの友人のようだった。心はフゥと一息吐いた。大丈夫、泣いたりしない。
「あ、樹里さん。お昼ご飯って食べました?」
「お昼? 朱莉、もう十七時近いけど」
「えぇ、そんな冷たいこと言います?」
「いや……白黒付いたらお腹空いたな」
「お酒も飲みたいけど、ご飯ですよね。よし、何がいいかなぁ。美味しい物がいいですよね」
こっちです、と誘導する朱莉は嬉しそうだった。樹里は、朝からほとんど食べていない。喉を通る気がしなかったのだ。この子は恐らく、それを察しているのだろう。
「あら、やだ」
「私に早く会いたかったんですねぇ」
「あぁそうなんだよねぇ」
「棒読み、棒読み。心が籠ってないですよ。もう」
早々にキャッキャとはしゃいでみる。そこまで砕けた関係ではないのに、まるで昔からの友人のようだった。心はフゥと一息吐いた。大丈夫、泣いたりしない。
「あ、樹里さん。お昼ご飯って食べました?」
「お昼? 朱莉、もう十七時近いけど」
「えぇ、そんな冷たいこと言います?」
「いや……白黒付いたらお腹空いたな」
「お酒も飲みたいけど、ご飯ですよね。よし、何がいいかなぁ。美味しい物がいいですよね」
こっちです、と誘導する朱莉は嬉しそうだった。樹里は、朝からほとんど食べていない。喉を通る気がしなかったのだ。この子は恐らく、それを察しているのだろう。