ジングルベルは、もう鳴らない
第26話 それが答え
ピンポーン、とチャイムの音が聞こえてくる―――
重たい目蓋を持ち上げると、頭上にはブンタ。ハッハッと何やら嬉しそうである。ぼんやりと携帯を見て、一気に目が覚める。午前十一時三十九分。あぁ寝てしまった。何件かメッセージも届いている。きっと、斎藤からだろう。焦りながらモニターを覗き込めば、少し疲れた顔の斎藤が映っている。伸びをしながら付いて来たブンタは、クルクル回って嬉しそうに樹里を見上げた。すぐ開けます、と応答する声が焦っているのが丸わかりだ。何かを察したであろう斎藤は、何も言わずにペコペコと頭を下げた。相変わらず、ブンタは嬉しそうである。声も姿も見えていないはずの飼い主の帰宅を、彼はまるで分かっているようだった。
辺りが静かになった頃、ブンタの落ち着きがなくなった。斎藤を探し回り、不安そうに何度も鳴くのだ。いつになっても帰らない飼い主に、不安だったのだろう。ようやくベッドに丸まったと思えば、クゥンと鳴く。その度に、手を伸ばし声を掛けた。樹里もブンタも、短い時間、ウトウトしたくらいだろう。朝になって、外に出てはみたものの、散歩と言えるほどは歩いていない。用を済ますとすぐ部屋に帰りたがったのだ。メモ通りに出したご飯もあまり食べず、すぐに樹里に甘えて来た。そんなブンタを撫でながら、『斎藤さんのお部屋にいますね』とメッセージを打ったのは何時だっただろう。あぁきっと、そのまま寝てしまったのだ。
重たい目蓋を持ち上げると、頭上にはブンタ。ハッハッと何やら嬉しそうである。ぼんやりと携帯を見て、一気に目が覚める。午前十一時三十九分。あぁ寝てしまった。何件かメッセージも届いている。きっと、斎藤からだろう。焦りながらモニターを覗き込めば、少し疲れた顔の斎藤が映っている。伸びをしながら付いて来たブンタは、クルクル回って嬉しそうに樹里を見上げた。すぐ開けます、と応答する声が焦っているのが丸わかりだ。何かを察したであろう斎藤は、何も言わずにペコペコと頭を下げた。相変わらず、ブンタは嬉しそうである。声も姿も見えていないはずの飼い主の帰宅を、彼はまるで分かっているようだった。
辺りが静かになった頃、ブンタの落ち着きがなくなった。斎藤を探し回り、不安そうに何度も鳴くのだ。いつになっても帰らない飼い主に、不安だったのだろう。ようやくベッドに丸まったと思えば、クゥンと鳴く。その度に、手を伸ばし声を掛けた。樹里もブンタも、短い時間、ウトウトしたくらいだろう。朝になって、外に出てはみたものの、散歩と言えるほどは歩いていない。用を済ますとすぐ部屋に帰りたがったのだ。メモ通りに出したご飯もあまり食べず、すぐに樹里に甘えて来た。そんなブンタを撫でながら、『斎藤さんのお部屋にいますね』とメッセージを打ったのは何時だっただろう。あぁきっと、そのまま寝てしまったのだ。