バレンタインと恋の魔法
「もう、咲良ったら何してるのよ恥ずかしい」


「相変わらず元気だなー咲良は。…ん?なんか濡れてない?」


「ああ、プール掃除してきて…って、そんなことより!いつこっち来てたの!?いつまでお休みなの!?」


「ついさっきだよ。おばさんに挨拶しに来たとこ。あと三日はこっちにいるつもりだよ」



最後に流くんに会ったのはお正月の時だから、一ヶ月ちょっとぶりだ。


電話をたまにしてはいたけど、やっぱり流くんの声も温もりも生が一番だ。



私が流くんを好きになったのはもうずっと前。


小さい時から大人だった流くんの雰囲気が大好きで、最初は大好きなお兄ちゃんだったのがいつの間にか恋の大好きになっていた。



「明日明後日咲良も休みでしょ?車乗ってきたから、どっちかの日使ってどこか遠出でもしに行こうか」


「え!?行く!じゃあ、日曜日がいい!」



明日急いで美容院に行って、ついでにネイルも塗ろう。


流くんとのデートなんだから、とびっきりおしゃれして行かないと!





土曜日を使って流くんとのデートのため、しっかり準備をした。


美容院で毛先を綺麗に整えてもらい、手の爪には淡い水色のネイルまで塗った。



当日は家の前に九時集合なのに五時から起きて、いつもしているツインテールをやめて毛先をゆるく巻いてメイクも少ししてみた。


あとは昨日買った大人っぽい黒のニットワンピースを着て上からコートを羽織り、ブーツを履いて家を出る。
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