バレンタインと恋の魔法
ちょうど最後の書類にホチキスを留め終わったところで、下校時刻を知らせるチャイムが鳴った。
「先輩、あの…」
「ん?」
いつも通り家の前まで送ってくれた桐ヶ谷くんに、「じゃあまた」と片手を上げるとなぜか呼び止められた。
「えっと…いや、やっぱなんでもないです!また明日!」
少し不思議に思いながらも、明るく笑って手を振る桐ヶ谷くんとわかれて家に入る。
手を洗ってから誰もいないリビングに行くと、机の上に中学生の妹のファッション雑誌が開きっぱなしで置かれていた。
きっと学校に行くギリギリまで読んでいて、片付けるのを忘れたのだろう。
閉じてあげようと雑誌を手にして“バレンタイン特集!好きな子にはとっておきのチョコを♡”という見出しがふと目についた。
「バレンタインチョコ…」
そういえばあと六日もすればバレンタインだ。
今まで恋愛とは無縁に生きてきて、好きな人なんてできたことがなかったから全く関係のないイベントですっかり忘れていた。
…桐ヶ谷くんにチョコ、あげてみようかな。
それで今更だけど私も好きってちゃんと伝えた方がいいよね…。
少し迷ってから、バレンタイン特集のページを写真に撮っておいた。
「先輩、あの…」
「ん?」
いつも通り家の前まで送ってくれた桐ヶ谷くんに、「じゃあまた」と片手を上げるとなぜか呼び止められた。
「えっと…いや、やっぱなんでもないです!また明日!」
少し不思議に思いながらも、明るく笑って手を振る桐ヶ谷くんとわかれて家に入る。
手を洗ってから誰もいないリビングに行くと、机の上に中学生の妹のファッション雑誌が開きっぱなしで置かれていた。
きっと学校に行くギリギリまで読んでいて、片付けるのを忘れたのだろう。
閉じてあげようと雑誌を手にして“バレンタイン特集!好きな子にはとっておきのチョコを♡”という見出しがふと目についた。
「バレンタインチョコ…」
そういえばあと六日もすればバレンタインだ。
今まで恋愛とは無縁に生きてきて、好きな人なんてできたことがなかったから全く関係のないイベントですっかり忘れていた。
…桐ヶ谷くんにチョコ、あげてみようかな。
それで今更だけど私も好きってちゃんと伝えた方がいいよね…。
少し迷ってから、バレンタイン特集のページを写真に撮っておいた。