バレンタインと恋の魔法
「家帰って食べればいいじゃん…」
「二個も買って帰ったら姉貴に取られる」
「へぇ、お姉さんがいるんだ…ってそんなことどうでもいいわ!」
久遠はプリンを食べながら私をちらりと見てきた。
「学校と随分違うんだな。何あれ、作ってんの?」
「うるさいな、別に誰だって嘘の仮面くらい被るでしょ。瀬名くんの前だったら尚更。あ、私の本性バラしたらただじゃおかないからね」
「別に言わねぇよ。どうでもいいし」
久遠は最後の一口を堪能するように食べ終わると、すっと立ち上がった。
「にしてもおまえ、趣味悪りぃな」
それは金魚が『Hello』と言っているTシャツに対してなのか、それとも瀬名くんを好きなことに対してなのかわからなかった。
どちらにしてもムカつくことに変わりはなく、「うるさいー!」と叫んだ声が公園中に響き渡った。
*
「瀬名くん、お昼一緒に食べよ」
語尾にハートをつけながら瀬名くんににこっと微笑みかけると、瀬名くんは眩しい笑顔で「おーいいよ」と返してくれた。
「涼介と食堂行こって話してたんだ。姫宮さんも行こ」
「二個も買って帰ったら姉貴に取られる」
「へぇ、お姉さんがいるんだ…ってそんなことどうでもいいわ!」
久遠はプリンを食べながら私をちらりと見てきた。
「学校と随分違うんだな。何あれ、作ってんの?」
「うるさいな、別に誰だって嘘の仮面くらい被るでしょ。瀬名くんの前だったら尚更。あ、私の本性バラしたらただじゃおかないからね」
「別に言わねぇよ。どうでもいいし」
久遠は最後の一口を堪能するように食べ終わると、すっと立ち上がった。
「にしてもおまえ、趣味悪りぃな」
それは金魚が『Hello』と言っているTシャツに対してなのか、それとも瀬名くんを好きなことに対してなのかわからなかった。
どちらにしてもムカつくことに変わりはなく、「うるさいー!」と叫んだ声が公園中に響き渡った。
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「瀬名くん、お昼一緒に食べよ」
語尾にハートをつけながら瀬名くんににこっと微笑みかけると、瀬名くんは眩しい笑顔で「おーいいよ」と返してくれた。
「涼介と食堂行こって話してたんだ。姫宮さんも行こ」