バレンタインと恋の魔法
いつも見上げていた先輩を見下ろしながら、落ちないように先輩の肩に両手をつける。
「めちゃくちゃまずいけど、めっちゃうまい」
「え…?な、何言って…」
「…悪かった。杏のこと突き放して。おまえが俺のせいであることないこと噂されて、避けられてるのを知ったんだ。俺だけならまだしも、杏までそういう扱いを受けていることが許せなかった」
「…だから、私から離れたんですか?」
私のために先輩はわざと悪者になったの?
でもああそうか、と同時に納得する。
先輩はそういう人だから。自分を顧みずに相手を助けようとする。そういう優しい人だから。
「…でも、やっぱり嫌だって思った。俺も杏の隣にいたいんだよ」
先輩が泣きそうな顔で笑って、私のおでこに自分のおでこをくっつけてきた。
「好きだよ、杏。俺と一緒にいるとまた嫌な思いをするかもしれない。…それでも、俺が絶対守るから。幸せにするから。だから、俺と付き合ってください」
先輩の首に腕を回してぎゅーと抱きつく。もうどこにも行ってしまわないように、強く強く。
「…私、全部が普通だけど、それでもいいの?」
先輩はきょとんとしたように私の目を見つめ、ふっと吹き出した。
「杏は出会った時から誰よりも一番可愛い女だ」
離れてしまった距離は、今また近づいた。
あの頃よりもずっとずっと先輩の近くに。
どんなに離れたってもう大丈夫。
私はこの先ずっと誰よりも近くで先輩の隣にい続けるから。
◆
マドレーヌのお菓子言葉…あなたとさらに仲良くなりたい
「めちゃくちゃまずいけど、めっちゃうまい」
「え…?な、何言って…」
「…悪かった。杏のこと突き放して。おまえが俺のせいであることないこと噂されて、避けられてるのを知ったんだ。俺だけならまだしも、杏までそういう扱いを受けていることが許せなかった」
「…だから、私から離れたんですか?」
私のために先輩はわざと悪者になったの?
でもああそうか、と同時に納得する。
先輩はそういう人だから。自分を顧みずに相手を助けようとする。そういう優しい人だから。
「…でも、やっぱり嫌だって思った。俺も杏の隣にいたいんだよ」
先輩が泣きそうな顔で笑って、私のおでこに自分のおでこをくっつけてきた。
「好きだよ、杏。俺と一緒にいるとまた嫌な思いをするかもしれない。…それでも、俺が絶対守るから。幸せにするから。だから、俺と付き合ってください」
先輩の首に腕を回してぎゅーと抱きつく。もうどこにも行ってしまわないように、強く強く。
「…私、全部が普通だけど、それでもいいの?」
先輩はきょとんとしたように私の目を見つめ、ふっと吹き出した。
「杏は出会った時から誰よりも一番可愛い女だ」
離れてしまった距離は、今また近づいた。
あの頃よりもずっとずっと先輩の近くに。
どんなに離れたってもう大丈夫。
私はこの先ずっと誰よりも近くで先輩の隣にい続けるから。
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マドレーヌのお菓子言葉…あなたとさらに仲良くなりたい