嫌われ毒婦の白い結婚 のはずが、最強幻獣騎士様の溺愛が始まりました⁉
第6話
ふと眩しさを感じ、布団を顔まで引き上げる。真綿に包まれたような温かさが心地よくて身じろぎすると、フッと笑いを漏らすような声が聞こえた。
(え?)
リーゼロッテはパチリと目を覚ます。
「だ、旦那様⁉」
テオドールはベッドサイドに座り、リーゼロッテの顔を見下ろしていた。
「おはよう、リーゼロッテ」
「おはようございます」
リーゼロッテは顔の下半分を布団で隠しながら、おずおずと朝の挨拶をする。
「体は大丈夫か? 昨日は少し無理させたかもしれない」
昨日は、と言われて昨晩のことが脳裏によみがえる。
「大丈夫です」
「そう? じゃあ、今夜からはもっと手加減なしでいいかな」
ふわっと微笑まれ、リーゼロッテは硬直する。
(え? どういつこと? 手加減していたの?)
青くなるリーゼロッテを見て、テオドールは「くくくっ」と堪えきれない笑いを漏らす。