嫌われ毒婦の白い結婚 のはずが、最強幻獣騎士様の溺愛が始まりました⁉

第7話

 リーゼロッテは窓の外を眺める。
 夕焼けに染まる空には、鳥が数羽、飛んでいた。

「リーゼロッテ様。冷えるのでこちらを」

 アイリスが、肩にショールを掛けてくれた。

「ありがとう」

 リーゼロッテは微笑んでお礼を言うと、また窓の外を眺める。

(遅いな)

 イラリアの来訪から既に三カ月が経った。

 今、テオドールは数カ月に一度ある謁見で王都に行っている。そろそろ戻って来る頃のはずなのに、一向にその気配がない。いつもより遅い帰りに、何かあったのかと不安になる。

 気持ちを紛らわそうと獣舎に向かうと、リーゼロッテの来訪に気づいたヒッポグリフのシェリーが尻尾を振った。

「シェリー、いい子にしていた?」

 このヒッポグリフは、あのドラゴン騒ぎがあった日にリーゼロッテを乗せてくれた個体だ。もう一匹いたヒッポグリフはつい先日無事にパートナーが決まったがシェリーはリーゼロッテに懐いて離れようとしなかったので、リーゼロッテがパートナーとなり『シェリー』と名付けたのだ。

 テオドールによると、幻獣騎士でもないのにパートナーの幻獣がいるのはリーゼロッテぐらいだという。

「旦那さまったら、どうしたのかしら?」
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