嫌われ毒婦の白い結婚 のはずが、最強幻獣騎士様の溺愛が始まりました⁉
王都を出て早三日。
コトコトと揺れる馬車から見えるのは、どこまでも広がる田園風景だ。農夫が側道にある切り株に腰を掛け、休憩を取っているのが見える。
「王都とはずいぶん景色が違うのね」
「本当に、のどかですね」
リーゼロッテの呟きを拾ってそう返したのは、向かいの席に座る侍女のライラだ。いつものメイド服ではなく、落ち着いた色合いのシンプルな詰襟ワンピースを着ている。
「それにしても、ラフォン辺境伯はどのようなお方なのでしょう? 噂では、血に塗られた辺境伯だと」
ライラは不安げにリーゼロッテの顔色を窺う。
「きっと、噂話は大袈裟なだけで大丈夫よ。ほら、わたくしだってとんでもない悪女ってことになっているみたいだし、閣下もきっと同じだわ」
「そうだとよいのですが」
ライラはなおも不安げだ。
「もしも酷いケダモノだったら、わたくしが命に代えてでもリーゼロッテ様をお守りします!」
ライラはぎゅっとリーゼロッテの手を握る。
「まあ、大袈裟ね。でも、それはだめよ。ライラに何かあったら、わたくしが悲しいもの。それに、大事な恋人に怒られてしまうわ」
リーゼロッテはくすくすと笑う。
コトコトと揺れる馬車から見えるのは、どこまでも広がる田園風景だ。農夫が側道にある切り株に腰を掛け、休憩を取っているのが見える。
「王都とはずいぶん景色が違うのね」
「本当に、のどかですね」
リーゼロッテの呟きを拾ってそう返したのは、向かいの席に座る侍女のライラだ。いつものメイド服ではなく、落ち着いた色合いのシンプルな詰襟ワンピースを着ている。
「それにしても、ラフォン辺境伯はどのようなお方なのでしょう? 噂では、血に塗られた辺境伯だと」
ライラは不安げにリーゼロッテの顔色を窺う。
「きっと、噂話は大袈裟なだけで大丈夫よ。ほら、わたくしだってとんでもない悪女ってことになっているみたいだし、閣下もきっと同じだわ」
「そうだとよいのですが」
ライラはなおも不安げだ。
「もしも酷いケダモノだったら、わたくしが命に代えてでもリーゼロッテ様をお守りします!」
ライラはぎゅっとリーゼロッテの手を握る。
「まあ、大袈裟ね。でも、それはだめよ。ライラに何かあったら、わたくしが悲しいもの。それに、大事な恋人に怒られてしまうわ」
リーゼロッテはくすくすと笑う。