嫌われ毒婦の白い結婚 のはずが、最強幻獣騎士様の溺愛が始まりました⁉
「テオドール様がお戻りになっていなくて、ちょうどよかったわ」
もしテオドールがいるタイミングで蛇が現れていたら、リーゼロッテは彼にとんでもない醜態を見せてしまっていたことだろう。それこそ、初夜に蛇が現れたりしたら、リーゼロッテは裸のままシーツだけを羽織って隣の部屋まで逃げ出していただろう。
「こちらの蛇は私のほうで処分しておきます」
「ありがとう。……どこから入ってきたのかしら?」
「窓ではないでしょうか」
護衛が小首を傾げて答える。
「窓?」
寝室の窓はさっき閉まっているのを確認した。けれど、昼間に開けていて蛇が入って来たのに気づかないまま閉めてしまった可能性もある。
「そうかもしれないわね。とにかく、ありがとう」
「いえ、どういたしまして。それでは失礼します」
護衛は頭を下げると、片手に蛇を持って部屋を出て行く。リーゼロッテはそれを見送ってから、元の部屋にあるソファーの端にちょこんと座った。どうしても、まだ蛇がどこかにいるのではないかとびくびくしてしまう。
そのとき、トントントンとドアがノックされる音がして、リーゼロッテは飛び上がるほど驚いた。
「だ、誰?」
「お嬢様、ライラでございます」
「ライラ?」
すぐにドアが開き、血相を変えたライラが部屋に飛び込んできた。背後には、先ほど挨拶を交わしたばかりのメイド──アイリスもいる。
リーゼロッテを見るや否や、ライラは駆け寄ってきた。
「お嬢様! 大丈夫でございますか? なんでも、蛇が出たと」
ライラは真っ青な顔で、リーゼロッテの両手を握る。彼女はリーゼロッテの侍女をしていた期間が長いので、リーゼロッテの蛇恐怖症についてもよく知っているのだ。
もしテオドールがいるタイミングで蛇が現れていたら、リーゼロッテは彼にとんでもない醜態を見せてしまっていたことだろう。それこそ、初夜に蛇が現れたりしたら、リーゼロッテは裸のままシーツだけを羽織って隣の部屋まで逃げ出していただろう。
「こちらの蛇は私のほうで処分しておきます」
「ありがとう。……どこから入ってきたのかしら?」
「窓ではないでしょうか」
護衛が小首を傾げて答える。
「窓?」
寝室の窓はさっき閉まっているのを確認した。けれど、昼間に開けていて蛇が入って来たのに気づかないまま閉めてしまった可能性もある。
「そうかもしれないわね。とにかく、ありがとう」
「いえ、どういたしまして。それでは失礼します」
護衛は頭を下げると、片手に蛇を持って部屋を出て行く。リーゼロッテはそれを見送ってから、元の部屋にあるソファーの端にちょこんと座った。どうしても、まだ蛇がどこかにいるのではないかとびくびくしてしまう。
そのとき、トントントンとドアがノックされる音がして、リーゼロッテは飛び上がるほど驚いた。
「だ、誰?」
「お嬢様、ライラでございます」
「ライラ?」
すぐにドアが開き、血相を変えたライラが部屋に飛び込んできた。背後には、先ほど挨拶を交わしたばかりのメイド──アイリスもいる。
リーゼロッテを見るや否や、ライラは駆け寄ってきた。
「お嬢様! 大丈夫でございますか? なんでも、蛇が出たと」
ライラは真っ青な顔で、リーゼロッテの両手を握る。彼女はリーゼロッテの侍女をしていた期間が長いので、リーゼロッテの蛇恐怖症についてもよく知っているのだ。