嫌われ毒婦の白い結婚 のはずが、最強幻獣騎士様の溺愛が始まりました⁉
「全て、旦那様のご意思に従いましょう、か。見上げた忠誠心だな」

 テオドールはリーゼロッテに顔を近づけて、にやりと笑う。

「いいだろう。では、好きにさせてもらう。離縁したあとは後妻を娶ろう」
「……っ、ありがとうございます!」

 リーゼロッテはパッと表情を明るくする。

(旦那様が不機嫌そうに見えたから怒っているのかと思ったけど、杞憂だったみたいね)

 ホッとしたのも束の間、リーゼロッテはテオドールにひょいっと抱き上げられて慌てた。

「旦那様⁉ おろしてください」

 慌ててその腕から逃れようともがくが、テオドールの腕はしっかりとリーゼロッテの体を抱えておりびくともしない。
 数秒後、リーゼロッテの体はベッドに放り出された。そこに覆いかぶさるようにテオドールが来て、重みでぎしっとベッドが鳴る。

「何をなさるのですか!」
「何って、やることはひとつに決まっているだろう。我々は今、夫婦なのだから」

 リーゼロッテを見下ろすテオドールの口元が、冷淡な笑みを浮かべる。
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