嫌われ毒婦の白い結婚 のはずが、最強幻獣騎士様の溺愛が始まりました⁉
◇ ◇ ◇
ときはリーゼロッテがラフォン辺境伯邸に到着して少し経った時刻に戻る。
この日、ラフォン辺境伯であるテオドールは領地視察を終えて数日ぶりに屋敷に戻る予定だった。
相棒のグリフォン──ルカードの背に乗り空を移動していると、ヒッポグリフに乗ったカルロが近づいてきた。
「きっと戻ったら、奥様が到着しているな」
「そうだな」
テオドールは表情を変えずに答える。
国王から勧められて娶ったリーゼロッテ=オーバンの到着予定日は今日だ。遅れるといった連絡は入っていないので、予定通りであれば今頃到着している頃だろう。
「今夜は奥様のところへ?」
「そのつもりだ」
「そりゃあ、花街の連中ががっかりするな」
「お前らだけで行けばいいだろう」
テオドールのそっけない返事に、カルロは肩を竦める。
「あいつらに自腹で払えるとでも?」
「……請求書を屋敷に回せ」
「そう来なくっちゃ」
ははっと笑ったカルロはヒッポグリフの手綱を引くと、悠然と離れてゆく。
それを眺めながら、テオドールははあっと息を吐く。
ときはリーゼロッテがラフォン辺境伯邸に到着して少し経った時刻に戻る。
この日、ラフォン辺境伯であるテオドールは領地視察を終えて数日ぶりに屋敷に戻る予定だった。
相棒のグリフォン──ルカードの背に乗り空を移動していると、ヒッポグリフに乗ったカルロが近づいてきた。
「きっと戻ったら、奥様が到着しているな」
「そうだな」
テオドールは表情を変えずに答える。
国王から勧められて娶ったリーゼロッテ=オーバンの到着予定日は今日だ。遅れるといった連絡は入っていないので、予定通りであれば今頃到着している頃だろう。
「今夜は奥様のところへ?」
「そのつもりだ」
「そりゃあ、花街の連中ががっかりするな」
「お前らだけで行けばいいだろう」
テオドールのそっけない返事に、カルロは肩を竦める。
「あいつらに自腹で払えるとでも?」
「……請求書を屋敷に回せ」
「そう来なくっちゃ」
ははっと笑ったカルロはヒッポグリフの手綱を引くと、悠然と離れてゆく。
それを眺めながら、テオドールははあっと息を吐く。