嫌われ毒婦の白い結婚 のはずが、最強幻獣騎士様の溺愛が始まりました⁉
◇ ◇ ◇
アイリスは手に持っている木箱を眺め、ため息を吐く。
「本当にやらなきゃかしら……?」
木箱の中には、生きた蛇が入っている。王都に従妹がいるというメイドが『リーゼロッテ様は蛇が嫌いらしい』という情報を仕入れたら、メイド仲間のひとりが捕まえてきたのだ。
『これを部屋に置いておけば、きっと奥様は大層お怒りになってすぐ屋敷からいなくなるわよ』
蛇を捕まえてきたメイドは得意げに自分のアイデアを語った。そして、『じゃあアイリス、頑張るのよ。みんなのためよ』とリーゼロッテ付きになることが決まったアイリスに託してきたのだ。
「他人事だと思って」
アイリスは小さな声で愚痴を漏らす。
そんなことをしたら、逆にアイリスが清掃不行き届きの責任を取らされクビになる可能性だってある。つまり、アイリスは嫌な役を押し付けられたのだ。
一通り掃除を終えたアイリスは窓とドアがしっかりと閉まっているのを確認し、蛇を小箱から出す。蛇はしゅるしゅると床を這い、ベッドの下へと姿を消した。
アイリスは手に持っている木箱を眺め、ため息を吐く。
「本当にやらなきゃかしら……?」
木箱の中には、生きた蛇が入っている。王都に従妹がいるというメイドが『リーゼロッテ様は蛇が嫌いらしい』という情報を仕入れたら、メイド仲間のひとりが捕まえてきたのだ。
『これを部屋に置いておけば、きっと奥様は大層お怒りになってすぐ屋敷からいなくなるわよ』
蛇を捕まえてきたメイドは得意げに自分のアイデアを語った。そして、『じゃあアイリス、頑張るのよ。みんなのためよ』とリーゼロッテ付きになることが決まったアイリスに託してきたのだ。
「他人事だと思って」
アイリスは小さな声で愚痴を漏らす。
そんなことをしたら、逆にアイリスが清掃不行き届きの責任を取らされクビになる可能性だってある。つまり、アイリスは嫌な役を押し付けられたのだ。
一通り掃除を終えたアイリスは窓とドアがしっかりと閉まっているのを確認し、蛇を小箱から出す。蛇はしゅるしゅると床を這い、ベッドの下へと姿を消した。