嫌われ毒婦の白い結婚 のはずが、最強幻獣騎士様の溺愛が始まりました⁉
(婚姻届けが受理された日?)

 テオドールは眉根を寄せる。今日の日付を思い出し、そういえばそうだったかもしれないと思う。つまり結婚記念日ということだ。

 これが大恋愛した夫婦や仲睦まじい夫婦であれば特別な日であることは容易に想像がつくが、あいにくテオドールとリーゼロッテは顔も合わせず会話もない。もちろん、昨年もお祝いなどしていない。

(結婚記念日の機会を狙って、宝石でも強請る気か?)

 テオドールは特定の相手を決めずに気の向くままに女遊びをすることがあるが、彼女たちはことあるごとに理由を付けてプレゼントを強請る。

「……わかった。今夜、彼女の部屋に行く」

 今日も無視することもできたが『行く』と答えたのは、セドリックの態度が何となく気になったからだ。
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