嫌われ毒婦の白い結婚 のはずが、最強幻獣騎士様の溺愛が始まりました⁉
第2話
セドリックが退室したあと、入れ替わるように側近のカルロが訪ねてきた。
「今月の魔獣被害に関する報告書だ。発生回数は前年度より減っている。いい傾向だな」
カルロは機嫌よく内容を説明する。
イスタールには多くの幻獣が生息するが、幻獣の中には人間を餌とみなして害をなすものや、餌とはみなさないまでも理由もなく傷つける攻撃的な種も多く存在する。イスタールでは、それらの害をなす幻獣をまとめて『魔獣』と呼んでいた。
ラフォン辺境伯領は森が多く昔から幻獣が多く住む地域であり、その分魔獣の被害発生件数も多い。それらの駆除や、人の住む地域に彼らが立ち入らないように監視するのは領主──すなわちテオドールと部下たちの役目だ。
さらに、隣国と接しているため密入国や密売の取り締まりもある。通常の領地経営に加えてこれらのことをやっているので、テオドールはもちろんのこと、部下たちもいつも大忙しだ。こうした中、魔獣の被害発生件数減少はとても喜ばしいニュースだった。
「そういえば──」
「なんだ?」
「先日、奥様が城下の高級貴金属店にいるのを見かけたぜ? 何かプレゼントでもするのか?」
わかりやすくにやにやしながらカルロがテオドールを見る。
「リーゼロッテが? どこで?」
「中央通り二番街のモネカ宝飾店だ」
「あそこか……」
「今月の魔獣被害に関する報告書だ。発生回数は前年度より減っている。いい傾向だな」
カルロは機嫌よく内容を説明する。
イスタールには多くの幻獣が生息するが、幻獣の中には人間を餌とみなして害をなすものや、餌とはみなさないまでも理由もなく傷つける攻撃的な種も多く存在する。イスタールでは、それらの害をなす幻獣をまとめて『魔獣』と呼んでいた。
ラフォン辺境伯領は森が多く昔から幻獣が多く住む地域であり、その分魔獣の被害発生件数も多い。それらの駆除や、人の住む地域に彼らが立ち入らないように監視するのは領主──すなわちテオドールと部下たちの役目だ。
さらに、隣国と接しているため密入国や密売の取り締まりもある。通常の領地経営に加えてこれらのことをやっているので、テオドールはもちろんのこと、部下たちもいつも大忙しだ。こうした中、魔獣の被害発生件数減少はとても喜ばしいニュースだった。
「そういえば──」
「なんだ?」
「先日、奥様が城下の高級貴金属店にいるのを見かけたぜ? 何かプレゼントでもするのか?」
わかりやすくにやにやしながらカルロがテオドールを見る。
「リーゼロッテが? どこで?」
「中央通り二番街のモネカ宝飾店だ」
「あそこか……」