嫌われ毒婦の白い結婚 のはずが、最強幻獣騎士様の溺愛が始まりました⁉
「まあ! 旦那様が?」
「ええ」
「ようやく! 長かったですわね。遂に旦那様もリーゼロッテ様の魅力に気づいたに違いありません!」

 アイリスはきゃっきゃと嬉しそうに盛り上がると、ハッとしたような顔をする。

「そうだわ。リーゼロッテ様、お体は辛くないですか?」
「少し足がふらつくけど大丈夫よ」
「初めてなんだから、まだゆっくり寝ていてくださいませ!」

 アイリスはそう言うと、立ち上がりかけたリーゼロッテを無理やりソファーに戻す。

「セドリック様にご報告しないと」
「アイリス?」
「リーゼロッテ様。私、少し外します!」

 アイリスは唖然とするリーゼロッテを残し、軽やかな足取りで部屋を出て行ったのだった。

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