嫌われ毒婦の白い結婚 のはずが、最強幻獣騎士様の溺愛が始まりました⁉
第6話
そのとき、リーゼロッテは通りの向こうが賑やかなことに気づいた。人がたくさん集まり、何かを見ようとしているように見える。
「どうしたのかしら?」
リーゼロッテは吸い寄せられるようにそちらに近づく。背伸びして人垣の合間から覗くと、何匹もヒッポグリフがいるように見えた。
「あら、珍しい。あれはヒッポグリフの商人ですね」
「ヒッポグリフの商人?」
「はい。ラフォン領のヒッポグリフの多くは幻獣騎士団の獣舎にいるヒッポグリフの同士を掛け合わせて人工的に繁殖させたものですが、一部は野生のヒッポグリフを捕まえてきているんです。あれは、野生ものかと」
「ふーん。初めて見たわ」
リーゼロッテは物珍しさからパチパチと目を瞬かせる。
ヒッポグリフに乗る幻獣騎士がいるのだから商人がいてもなんらおかしくはないのだが、実際に見るのは初めてだ。全部で六頭のヒッポグリフが紐で繋がれているが、周囲に人が多いせいか随分と興奮しているように見えた。しきりに足で地面を掻いている。
「あのヒッポグリフはどこから連れて来るの?」
「森で野生のヒッポグリフを見つけて捕まえてきているはずです。天然物はグリフォンの血が濃い分強靭で、とても人気があります。ただ、人が育てた個体に比べると人に慣れにくく扱いが大変なのが難点です」
「へえ、知らなかったわ。アイリスは物知りね」
「わたくしの兄が幻獣騎士ですので、話を聞いたことがあるのです」
アイリスは少し照れくさそうにはにかむ。
「どうしたのかしら?」
リーゼロッテは吸い寄せられるようにそちらに近づく。背伸びして人垣の合間から覗くと、何匹もヒッポグリフがいるように見えた。
「あら、珍しい。あれはヒッポグリフの商人ですね」
「ヒッポグリフの商人?」
「はい。ラフォン領のヒッポグリフの多くは幻獣騎士団の獣舎にいるヒッポグリフの同士を掛け合わせて人工的に繁殖させたものですが、一部は野生のヒッポグリフを捕まえてきているんです。あれは、野生ものかと」
「ふーん。初めて見たわ」
リーゼロッテは物珍しさからパチパチと目を瞬かせる。
ヒッポグリフに乗る幻獣騎士がいるのだから商人がいてもなんらおかしくはないのだが、実際に見るのは初めてだ。全部で六頭のヒッポグリフが紐で繋がれているが、周囲に人が多いせいか随分と興奮しているように見えた。しきりに足で地面を掻いている。
「あのヒッポグリフはどこから連れて来るの?」
「森で野生のヒッポグリフを見つけて捕まえてきているはずです。天然物はグリフォンの血が濃い分強靭で、とても人気があります。ただ、人が育てた個体に比べると人に慣れにくく扱いが大変なのが難点です」
「へえ、知らなかったわ。アイリスは物知りね」
「わたくしの兄が幻獣騎士ですので、話を聞いたことがあるのです」
アイリスは少し照れくさそうにはにかむ。