婚約破棄? それなら僕が君の手を
情報収集
その日、アントンは休日だった。騎士団の寮の部屋でくつろいでいると、「客人だぞ」と連絡が届く。総務省の女性スタッフだというが、何の用だろうか。心当たりが全くない。とりあえず面会用の部屋に向かった。
扉を開けてみると王宮府の制服を着て金髪をハーフアップにした女性が座っている。女性はこちらを向くとおもむろにかけていた眼鏡を外した。
「!!リ……!!」
驚きに叫びそうになったアントンだが、女性?は自分の唇に人差し指を当ててアントンの発言を制した。
「今日は総務省スタッフのリサだから。」
(おいおい)
アントンは心の中でツッコミを入れる。何も友人に会うのに女装しなくてもいいだろう?不思議すぎる友人に聞かずにはいられない。
「何故、その格好なんだ?」
「上司の命令だから。」
リサ(リシェル)は肩をすくめてそう答えた。アントンは目を細めてリシェルを見る。
「変わった上司なんだな。」
「王太子殿下なんだけど。」
「は?」
思いがけない返答にアントンは青くなる。不敬だと言われたらどうしよう。
「まあ、深くは聞かないで。それよりも確認したい事があるんだけど……。」
「わ、わかった。」
気を取り直して、リシェルの話を聞く。
「テイラー伯爵家の令嬢の婚約者が誰だったか覚えている?」
アントンは予想もしてなかった事を聞かれて狼狽えた。リシェルが今までそんな事に興味があった事などあるだろうか?
いや、ない。
扉を開けてみると王宮府の制服を着て金髪をハーフアップにした女性が座っている。女性はこちらを向くとおもむろにかけていた眼鏡を外した。
「!!リ……!!」
驚きに叫びそうになったアントンだが、女性?は自分の唇に人差し指を当ててアントンの発言を制した。
「今日は総務省スタッフのリサだから。」
(おいおい)
アントンは心の中でツッコミを入れる。何も友人に会うのに女装しなくてもいいだろう?不思議すぎる友人に聞かずにはいられない。
「何故、その格好なんだ?」
「上司の命令だから。」
リサ(リシェル)は肩をすくめてそう答えた。アントンは目を細めてリシェルを見る。
「変わった上司なんだな。」
「王太子殿下なんだけど。」
「は?」
思いがけない返答にアントンは青くなる。不敬だと言われたらどうしよう。
「まあ、深くは聞かないで。それよりも確認したい事があるんだけど……。」
「わ、わかった。」
気を取り直して、リシェルの話を聞く。
「テイラー伯爵家の令嬢の婚約者が誰だったか覚えている?」
アントンは予想もしてなかった事を聞かれて狼狽えた。リシェルが今までそんな事に興味があった事などあるだろうか?
いや、ない。