【完】先生が意地悪で甘すぎる!〜激甘注意報発令中〜
「これでHRを終わります。配った進路希望調査の紙は来週の金曜日までに提出してください」
魚住先生のその言葉を合図に、生徒たちは席から離れて教室を出て行く。
いつもは一緒に帰る友人も「今日は彼氏とデートなの!先に帰るね!」と光の速さで消えていってしまった。
その嬉しさが滲み出ている背中を見送りながら「いいなぁ」と思わず口に出していた。
「羨ましがってもしょうがないか」
私も配られた進路希望調査の紙を鞄に入れて、帰る準備をする。
「乃木さん」
その時、魚住先生から名前を呼ばれた。
「はい」
「大学の資料の件ですが、今から少し時間大丈夫ですか?」
「大丈夫です」
私のクラス担任の魚住聖司先生。化学の先生だ。
28歳と若く、顔立ちの整ったしょうゆ顏のイケメン。
女子生徒からの人気が高く、他の先生からの信頼も厚い。
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