【マンガシナリオ版】魔法少女は魔王の息子に愛されすぎてる

3話 身バレの危機!?

〇学校・保健室(放課後)

舞「おはよー、いのり。もう放課後だよ」
いのり「っ!?」
いのりは慌てて保健室のベッドから体を起こす。
舞はベッドの横に椅子を置いて座っている。

舞「起き掛けで悪いんだけどさー」

舞は真剣な表情でいのりにずずいっと近づく。

☆ ☆ ☆

舞「あのイケメン誰!?」
いのり(最悪だ……)

眉間を押さえるいのり。
きっと保健室まで運んでくれたのだと理解する。

舞「しかもさ! お姫様抱っこしてたよね!?」

いのりはさらに頭を抱えて縮こまる。


☆ ☆ ☆

会話を遮るように、ぐうぅぅと盛大にいのりのお腹が鳴る。

いのり「それよりお腹が空いたから、購買のパンでも買いに――」


☆ ☆ ☆

ドサドサとパンが空中から降ってくる(大ゴマ)

いのり「え」
舞「わ!?」

いのり(やっちゃった~~~~~~!)

祝(しゅく)は願いを具現化する能力。
だからうまく制御しないと、こんなことに――。

舞「なになになに!? しかもこれ、廃棄のパンじゃん。えすじーでぃーずの魔法ってやつ!?」

☆ ☆ ☆


いのりはどうごまかそうかと焦りまくっている。

すると保健室の入口に、誰かのシルエットが。

柩「お困りのようですね」

☆ ☆ ☆

保健室に、華麗に柩が登場。

舞「あ、あのっ お二方の関係性はっ!?」
ボイスメモを開いたスマホでインタビュー記者のようにスマホを掲げる舞。

柩「ふふ、オフレコで」
人差し指を立ててにこりと美しく笑う柩。(点描などでキラキラしている)
そのまま再びいのりをお姫様抱っこをして連れて行く。

☆ ☆ ☆

〇学校・校門近く(放課後)

いのり「ちょっと!」

いのりは少し怒りながら、少し前を歩く柩に話しかける。

☆ ☆ ☆

柩「どうして怒っているんです? ピンチを助けるのは婚約者の役目でしょう?」

思わず見惚れるいのりだが、慌てて首を横に振る。

いのり「婚約者じゃないし! と、とりあえず下ろしてください!」

☆ ☆ ☆

いのり「で、でも、ありがとう……どうしようかと思ってたから」

柩「魔力のコントロール練習が必要ですね」

☆ ☆ ☆

〇ゲームセンター・入口(放課後)

いのり「ほ、本当にここで練習するの? 壊さない?」
柩「まぁ見ていてください」

〇ゲームセンター・UFOキャッチャーコーナー(放課後)

柩はコインを1枚入れる。

☆ ☆ ☆

いのりが好きそうな、かわいくて大きい白い猫のぬいぐるみ。
柩はあえてギリギリを狙い、まるで「惜しくも取れなかった」と演技する。

いのりは頑張れ、と何度も心で応援する。

いのり(次こそ取れますように……っ)

あたりが白い光に包まれる。

☆ ☆ ☆

UFOキャッチャー内にあったすべてのぬいぐるみがいのりに振ってくる。

柩が魔力を使い、大量のぬいぐるみを一瞬でUFOキャッチャーの取り出し口から戻して事なきを得る。

柩「練習のやり方、分かったでしょう?」
いのり「は、はい……頑張ります……」

☆ ☆ ☆

頑張って耐えるいのり。
何度か失敗するが、だいぶコントロールが効くようになり、降ってくるぬいぐるみも1つ2つになってきた。

最後にくまのマスコットのUFOキャッチャーをする。

☆ ☆ ☆

いのりはなんとか耐え、アームで掴んだくまのマスコット2つだけが取り出し口に落ちる。

いのり・柩「やった!」
いのりと柩はハイタッチをする。

☆ ☆ ☆

〇街・ゲームセンター近くの通学路(夕方)

柩「おひとつどうぞ」

片方のマスコットには黒色のリボンを、いのりに渡してくれたマスコットには色のリボンを付けて渡してくれる。


柩「これは厄除けです。何かあればこれで連絡が飛ぶようになっています」

へぇ、と掲げて眺めるいのり。

柩「それに、お揃いっていいですよね」
いのり「~~っ!」

いのりは一気に顔を赤くする。

☆ ☆ ☆

〇自宅・私室(夜)

いのり(どうしてこんなにドキドキするんだろ…)
もやもやとした気持ちを抱え、眠れないいのり。

いのり「ああ~~ムカつく~~~!」
ふとんをガバリと被る。

最後のコマで、柩はマスコットをつぶれそうなくらい握りしめている。
柩「いのりに手を出す人間は、全員消えればいい……」
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