【マンガシナリオ版】魔法少女は魔王の息子に愛されすぎてる
4話 ロマンスの予感!?
〇いのりの自宅・庭(朝)
制服に着替えているいのり。
大きなステッキを回して、構える。
庭に置かれた小さな的を狙う。
ピカッと庭全体(家全体?)がまぶしく光る。
☆ ☆ ☆
ドゴォォォンという音と共に的が破壊され、家の庭の塀にも大穴が空く。
まこと(いのりの母)「すごい……うちの子天才……」
いのりの父「ZZZ……」※デフォルメ
まことはエプロンを付けてお玉を持ったまま、庭を覗いて涙を流している。
父は轟音も気にせずに眠っている。
いのりは強くステッキを握りしめる。
いのり(頑張らなくちゃ。だって……)
☆ ☆ ☆
いのり(あんな顔されたら一か月持たない……っ!)
美しく笑い、マスコットを差し出す柩の顔の回想。
ぼうっと顔を赤くする。
いのり(かっこよかったなぁ……)※デフォルメ
ハッとなり、ぶんぶんと勢いよく顔を横に振るいのり。 ※デフォルメ
いのり「いただきまーす」
母の焼いてくれた食パンを食べながら、再びぼーっとしてしまういのり。
〇通学路・学校近く(朝)
英単語の小テストに備えるため、単語帳をめくりながら歩いているいのり。
電柱の裏に人影があるのが分かる。
「郁人さまに近づくよからぬ女めっ……!}
人影が持っていたペットボトルを開け、いのりに水を掛けようとする。
☆ ☆ ☆
いのり「キャッ!?」
水を掛けられそうになったいのりだったが、誰かが割り込んで壁になってくれる。
誰か、は振り向いていのりに手を差し出す。
郁人「明寺さん、大丈夫?」
☆ ☆ ☆
水に濡れて前髪を下ろした郁人が、いのりを心配そうに見ている。
郁人は部活用のジャージを着ている。
水を掛けた犯人は、真っ青な顔で去っていく。
いのり「さ、斎川くん。大丈夫……って風邪引いちゃう!」
スクールバッグから慌ててタオルを取り出すいのり。
郁人はそれを受け取る。
郁人「ありがとう」
☆ ☆ ☆
郁人「朝練中なんだ。シャワー浴びるしちょうどいいよ」
郁人「これ、洗って返すね!」
郁人「じゃあまた教室で」
笑顔で手を振ってランニングに戻る郁人。
☆ ☆ ☆
きゃあきゃあと黄色い声援が飛ぶ中、いのりは一人その姿を見送った。
時間が経つ演出・学校の引きの絵
☆ ☆ ☆
〇学校・教室(朝)
自分の席でぼーっとするいのり。
後ろで舞が話しかけているが、全く聞こえていない。
斎川郁人は凄く人気がある。
芸能人顔負けのルックスに、小さい顔。
そしてプロからも勧誘されるほどのサッカーの腕。
勉強は少し苦手みたいだけど、それも愛嬌として人気を押し上げている。
☆ ☆ ☆
いのり(それこそ斎川くんが白馬の王子様、柩が騎士様みたいな――)
ぼんっと顔を赤くするいのり。
(何考えてるんだ私……)
郁人「明寺さん」
☆ ☆ ☆
突然声を掛けられたいのりは、再び顔を真っ赤にする。
いのり「ひゃ、ひゃい……なんでしょう……」
郁人はいのりの席の横に立ち、新品の英単語帳を置く。
郁人「今日英単語帳濡らしちゃったでしょ。だから新しいの買ってきた」
いのり「えっ!? そんな、いいよ!」
☆ ☆ ☆
郁人は静かに首を振る。
郁人「今日の犯人、どうも僕のファンクラブの人だったらしいんだ」
郁人「だから僕のせいでもある。僕を助けると思って受け取ってほしい」
真剣な顔で英単語を渡してくる郁人。
いのりは、困り顔の彼に大型犬を感じながらも、その綺麗さに目を焼かれる。
いのり(まっ、まぶしい……)
いのりは受け取ろうとして、ハッと気づく。
☆ ☆ ☆
教室のあちらこちらから、冷たい視線を感じるいのり。
クラスの女子のほとんどが郁人のファンクラブ会員だと察する。
いのり「じゃ、じゃあせめてお金払うから!」
トラブルを防ぐため、急いで立ち上がるいのり。
☆ ☆ ☆
〇学校・廊下(朝)
5000円札を置いて教室を出るいのり。
しばらくして、キーンコーンカーンコーンと始業のチャイムが鳴る。
気まずい気持ちのまま、教室に戻る。
郁人は男子グループと話していて、ほっとしながら自分の席に戻った。
そこには律儀にお釣りが置かれていた。
☆ ☆ ☆
〇通学路・家の近く(夕方)
いのり(結局、一日中気まずかったなぁ)
いのりが落ち込んで歩いていると、柩がぬっと登場する。
柩「こんばんは」
いのり「ヒィッ!?」
いのり「どうしてここに……」
柩は自分の持っているマスコットを掲げつつ、いのりがスクールバッグに付けていたマスコットを指さす。
柩「マスコットが反応しましたから。それに」
☆ ☆ ☆
いのりの前髪をさらりと触る柩。
柩「つかれていますね」
いのりはしょげながら頷く。
いのり「はい。だから今日はあなたの相手をできる気分じゃ――」
柩「今朝のようなことがあっては危険です。これからは通学を見守ります」
いのり「見てたの」
驚くいのり。
☆ ☆ ☆
柩は笑みを深める。
柩「マスコットが教えてくれますから。だからなにかあったらすぐに駆けつけますよ」
いのりは、彼がいたらクラスでトラブルになっても少し大丈夫かもしれない、とほっとしてしまう。
無意識に、柩に対して安心感を持ってしまったことに驚きつつ、慌てて首を振る。
いのり「大丈夫です。でも……なんか気が楽になったし帰ります」
柩「無理はしないでくださいね」
いのりが少し遠くなった後、
柩は、いのりに憑いていた厄を掴んでいた。握り潰して倒す。
柩(魔の手だけでなく、恋敵まで現れるとは。厄介極まりない……)
制服に着替えているいのり。
大きなステッキを回して、構える。
庭に置かれた小さな的を狙う。
ピカッと庭全体(家全体?)がまぶしく光る。
☆ ☆ ☆
ドゴォォォンという音と共に的が破壊され、家の庭の塀にも大穴が空く。
まこと(いのりの母)「すごい……うちの子天才……」
いのりの父「ZZZ……」※デフォルメ
まことはエプロンを付けてお玉を持ったまま、庭を覗いて涙を流している。
父は轟音も気にせずに眠っている。
いのりは強くステッキを握りしめる。
いのり(頑張らなくちゃ。だって……)
☆ ☆ ☆
いのり(あんな顔されたら一か月持たない……っ!)
美しく笑い、マスコットを差し出す柩の顔の回想。
ぼうっと顔を赤くする。
いのり(かっこよかったなぁ……)※デフォルメ
ハッとなり、ぶんぶんと勢いよく顔を横に振るいのり。 ※デフォルメ
いのり「いただきまーす」
母の焼いてくれた食パンを食べながら、再びぼーっとしてしまういのり。
〇通学路・学校近く(朝)
英単語の小テストに備えるため、単語帳をめくりながら歩いているいのり。
電柱の裏に人影があるのが分かる。
「郁人さまに近づくよからぬ女めっ……!}
人影が持っていたペットボトルを開け、いのりに水を掛けようとする。
☆ ☆ ☆
いのり「キャッ!?」
水を掛けられそうになったいのりだったが、誰かが割り込んで壁になってくれる。
誰か、は振り向いていのりに手を差し出す。
郁人「明寺さん、大丈夫?」
☆ ☆ ☆
水に濡れて前髪を下ろした郁人が、いのりを心配そうに見ている。
郁人は部活用のジャージを着ている。
水を掛けた犯人は、真っ青な顔で去っていく。
いのり「さ、斎川くん。大丈夫……って風邪引いちゃう!」
スクールバッグから慌ててタオルを取り出すいのり。
郁人はそれを受け取る。
郁人「ありがとう」
☆ ☆ ☆
郁人「朝練中なんだ。シャワー浴びるしちょうどいいよ」
郁人「これ、洗って返すね!」
郁人「じゃあまた教室で」
笑顔で手を振ってランニングに戻る郁人。
☆ ☆ ☆
きゃあきゃあと黄色い声援が飛ぶ中、いのりは一人その姿を見送った。
時間が経つ演出・学校の引きの絵
☆ ☆ ☆
〇学校・教室(朝)
自分の席でぼーっとするいのり。
後ろで舞が話しかけているが、全く聞こえていない。
斎川郁人は凄く人気がある。
芸能人顔負けのルックスに、小さい顔。
そしてプロからも勧誘されるほどのサッカーの腕。
勉強は少し苦手みたいだけど、それも愛嬌として人気を押し上げている。
☆ ☆ ☆
いのり(それこそ斎川くんが白馬の王子様、柩が騎士様みたいな――)
ぼんっと顔を赤くするいのり。
(何考えてるんだ私……)
郁人「明寺さん」
☆ ☆ ☆
突然声を掛けられたいのりは、再び顔を真っ赤にする。
いのり「ひゃ、ひゃい……なんでしょう……」
郁人はいのりの席の横に立ち、新品の英単語帳を置く。
郁人「今日英単語帳濡らしちゃったでしょ。だから新しいの買ってきた」
いのり「えっ!? そんな、いいよ!」
☆ ☆ ☆
郁人は静かに首を振る。
郁人「今日の犯人、どうも僕のファンクラブの人だったらしいんだ」
郁人「だから僕のせいでもある。僕を助けると思って受け取ってほしい」
真剣な顔で英単語を渡してくる郁人。
いのりは、困り顔の彼に大型犬を感じながらも、その綺麗さに目を焼かれる。
いのり(まっ、まぶしい……)
いのりは受け取ろうとして、ハッと気づく。
☆ ☆ ☆
教室のあちらこちらから、冷たい視線を感じるいのり。
クラスの女子のほとんどが郁人のファンクラブ会員だと察する。
いのり「じゃ、じゃあせめてお金払うから!」
トラブルを防ぐため、急いで立ち上がるいのり。
☆ ☆ ☆
〇学校・廊下(朝)
5000円札を置いて教室を出るいのり。
しばらくして、キーンコーンカーンコーンと始業のチャイムが鳴る。
気まずい気持ちのまま、教室に戻る。
郁人は男子グループと話していて、ほっとしながら自分の席に戻った。
そこには律儀にお釣りが置かれていた。
☆ ☆ ☆
〇通学路・家の近く(夕方)
いのり(結局、一日中気まずかったなぁ)
いのりが落ち込んで歩いていると、柩がぬっと登場する。
柩「こんばんは」
いのり「ヒィッ!?」
いのり「どうしてここに……」
柩は自分の持っているマスコットを掲げつつ、いのりがスクールバッグに付けていたマスコットを指さす。
柩「マスコットが反応しましたから。それに」
☆ ☆ ☆
いのりの前髪をさらりと触る柩。
柩「つかれていますね」
いのりはしょげながら頷く。
いのり「はい。だから今日はあなたの相手をできる気分じゃ――」
柩「今朝のようなことがあっては危険です。これからは通学を見守ります」
いのり「見てたの」
驚くいのり。
☆ ☆ ☆
柩は笑みを深める。
柩「マスコットが教えてくれますから。だからなにかあったらすぐに駆けつけますよ」
いのりは、彼がいたらクラスでトラブルになっても少し大丈夫かもしれない、とほっとしてしまう。
無意識に、柩に対して安心感を持ってしまったことに驚きつつ、慌てて首を振る。
いのり「大丈夫です。でも……なんか気が楽になったし帰ります」
柩「無理はしないでくださいね」
いのりが少し遠くなった後、
柩は、いのりに憑いていた厄を掴んでいた。握り潰して倒す。
柩(魔の手だけでなく、恋敵まで現れるとは。厄介極まりない……)