俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい
ゼェゼェと息をする私達を他所に冷静になったのか、元宮君は響子ちゃんに呆れた顔を向けていた。



「多々良…お前なにしてんだよ」


「も、元宮には関係ないじゃない……」


「関係あるだろ、俺のクラスの前であんな揉めてたんだから」



珍しく元宮君がまともな事を言ってる……


私の為に怒ってくれるのは嬉しいけど、あそこまで大騒ぎしたんじゃ響子ちゃんの心象が悪くなっちゃうよ。


響子ちゃんはちょっとだけ気まずそうに元宮君から目を逸らしている。

そう言えば響子ちゃんって元宮君の事好きなんだっけ……

中々に気まずい状況だ。



「い、いやぁ、それにしても元宮君!久しぶり〜!最近全然話せてなかったね〜……!」


「…………まぁ、そうだな」



元宮君は非難するような視線を私に投げる。

まるで「お前が俺を避けてたんだろ」と言わんばかりの目に冷や汗をダラダラとかく。



「望月はどうした?最近ずっとあいつと一緒だったよな」


「へ?あ、あぁ、もっちーは私を心配してくれてて……」


「……俺だって、心配してた………」




あー……その顔されるの、本当弱いんだよね…


元宮君が拗ねたような、どこか悲しそうな顔をするもんだから、こっちまで凄く悲しい気持ちになってくる。



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