俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい

「元宮君、その……さっきの告白?なんだけど…わ、私は男の人と付き合ったことが一回もなくて…その〜……」


「…一回もないんだ、良かった」




ふわりと笑う彼の笑顔は私には眩しすぎる。

からかわれてるんじゃなくて、本気で私のことが好きなんじゃないかって勘違いしてしまうことばっかりだ。



「だ、だから……と、とりあえず、友達……ということで……」



一応、人生初めての告白を受けたから私なりの誠意で返す。

でも緊張して変な汗かくし、顔も真っ赤になってて、今の私は見るに堪えないと思う。

チラリと元宮君の顔を見ると、トロンと溶けたような満足そうな顔で笑っていた。



「ふぅん……今日はそれで許してやるよ」


「あ、ありがとうございます!」



なんで私がお礼言わなくちゃいけないんだろうと思わなくもないけど、早くこの何とも言えない空気から解放されたかった。



丁度私の家も近くなってきたという所で、元宮君は「俺はこっちだから」と言って立ち止まった。



「じゃ、じゃあね、元宮君…また明日……」



控えめにヒラヒラと手を振ってみると、元宮君は私の目を見ながら恐ろしいほど美しく笑った。





「また明日、柚月」






「……だから、なんで私の名前知ってるの……」



元宮君がさっきまで立っていた所を見ながら呟いた、私の独り言は風にさらわれてどこかへ行ってしまった。


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