俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい
三章
「おはよう響子ちゃん」
「おはよ、柚……って、どうしたの?目の下のクマが凄いことになってるけど……」
イケメン転校生……元宮君と一緒に帰った後から、ずっと元宮君の事を考えていた。
勘違いしないで欲しいのが別に恋とかしてる訳ではない、断じて!
またねと言ったのは良いものの、冷静に考えたら罰ゲームで告白されただけなんじゃないの?とか、
私を見世物にするためにわざと告白したりしたんじゃないか、とか……
そうして色んなことを考えまくってたら朝になっていたってわけ。
「響子ちゃん……響子ちゃんは、どうやって告白されたりする?」
「はぁ……?いきなりどうしたの…?」
「手紙とか、メールとか、色々あるじゃん今は…」
こういうのはモテてる人に聞いた方が早いかもしれない。
響子ちゃんはうーん、と少し悩む仕草をすると思い出したように口を開いた。
「電話もあったし、ラブレターも何回かあったかも。でも、一番多いのは直接かな?」
「あー、そうだよねぇ……響子ちゃんは可愛いから…」
「……もうっ、さっきからなに?」
あ、ちょっと照れてる。可愛い。
私じゃなくて、響子ちゃんが告白されるのは分かる。
だって、こんなに見た目も可愛くて性格も可愛いんだから。
「あ〜〜、響子ちゃん響子ちゃん~、とっても可愛い響子ちゃん〜」
「なによもう……恥ずかしいからやめてってば」
ヤバい、寝てないせいで頭が全く働かない。
とりあえず、響子ちゃんが可愛いということだけは伝えたくて、即興ソングを作ってみたけど本人には不評みたいだった。悲しい……