俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい


「夏秋……お前クマヤバくね?」


「え、そんなに目立つかな……」




昨日と同じようにパンをもぐもぐと食べながら望月君が言う。今日はコロッケパンみたいだ。




「望月、アンタなんでまたここに来てんの?自分の教室で食べれば良いじゃない」


「響子は本当にうるせえなぁ……元カノと友達が最近付き合い始めたから気まずいんだよ」


「え!?!?もっちー彼女いたの!?!?」



めちゃくちゃ初耳なんだけど!!

私のこの驚き具合と比べ、響子ちゃんの興味無さそうな顔と来たら…

いや、雰囲気的に響子ちゃんは知ってたのかな?



「あれ、夏秋に言ってなかったっけ?響子には言ってたんだけどなぁ」


「き、聞いてないよ……そっか、あのもっちーが…」


「こんなのと付き合おうと思う子がいるなんて物好きだよね、その子」




響子ちゃんは望月君に辛口だけど、私的にはそりゃ彼女の一人や二人ぐらい居るかって思うよ。

だってもっちーイケメンだもん。




「もっちーカッコいいもんねぇ…」


「え~、夏秋俺の顔好きなの?俺、今フリーだけど付き合っちゃう?」




ちょ、いきなりなにを言ってんの!?


突然のことに思わず顔を真っ赤にしちゃったけど、これは完全にからかってる。

だって私の反応を見ながらニヤニヤと笑ってるもん!!



「望月、アンタやっぱ死ねば?柚のことからかわないでよ」


「なんだよ、響子。夏秋が俺に取られそうだからって嫉妬すんなよな」




ずーっとニヤケ面の望月君に流石にムカッときて言い返そうと思った瞬間、




「俺の女に手出すなよ」




いつの間にか来ていた元宮君に、なぜか後ろから抱きすくめられた。




< 14 / 114 >

この作品をシェア

pagetop