俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい
「なんだよ夏秋~、彼氏いたならそう言ってくれれば良いのに」
新しいおもちゃを見つけた子供のような目で、ニヤニヤと元宮君を見る望月君。
うわ、めちゃくちゃいじりたそうな顔してるよ…
「柚月に話しかけんなって言っただろ」
「俺、望月颯って言うんだけど、お前があの転校生?」
「俺はお前には興味ない」
「イケメンとは聞いてたけど、確かにそこそこイケてる顔してんなぁ」
会話のキャッチボールがまるで成立してない…
日頃から響子ちゃんの毒に慣れてるからか、全く元宮君の言葉を気にしてないみたいだ。
「望月、わざわざこんなのに構わなくて良いじゃん」
「響子だって気になるだろ?夏秋とどういう関係なのかとかさぁ」
「……まぁ……ちょっと気になるけど……」
響子ちゃんと望月君には悪いけど、私も全然分かってない。
とりあえず私が分かってることは、昨日が初対面で、なぜか家の方角がバレてるのと、なぜか名前もバレてたって事だけだからね。