俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい

「元宮君とどういう関係と言われましても……」


「……柚はこいつと付き合ってるの?」



響子ちゃんが少し困惑気味に聞いてくる。



「いや、付き合ってないです……ね、元宮君!!」


「…………これから付き合うことになんだから、どっちでもいいだろ」



元宮君がそう言った途端、横で吹き出す声が聞こえた。
望月君が手をバンバン叩いて大爆笑してる。

他人事だからって笑いすぎだよ…



「ちょ、おまっ、ふふ…っ!マジで、やべー奴が来ちゃったなぁ」


「笑い事じゃないでしょ……柚もちゃんと嫌なことは嫌って言わないと駄目でしょ?」



この空間でまともなのは響子ちゃんだけみたいだ。

響子ちゃんの発言に少し眉を上げる元宮君。
ちょっと言い方が気になったみたいだ。



「響子……って言ったか?柚月は嫌がってなんかねえよ、嫌がってたら昨日一緒に帰ったりしない」


「その口で馴れ馴れしく響子って呼ばないでくれる?」


「じゃあなんて呼ぶんだよ」


「そもそもアンタと関わりたくないから、私達の前から消えて」




直接被害(?)を受けてる私よりも嫌がってる響子ちゃん。

響子ちゃんが私の為に言ってくれてるというのは十分理解してるけど、ちょっとだけ元宮君が可哀想な気もしなくない。



「まぁまぁ、響子ちゃん。落ち着いて…も、元宮君は、どうしてここに……?」


「……柚月と一緒に昼飯食べようかと思ったんだよ。うちのクラスの女達からようやく解放されたし…」



やはり元宮君のイケメンっぷりに女子は食いついてるみたいだ。

でもやっぱり不思議だ。なんで初対面の私にここまで執着してるんだろう?
< 17 / 121 >

この作品をシェア

pagetop