俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい
「柚月の好きなところ、か……うーん……」
持ってきたであろうサンドイッチを食べる手を止め、真剣に考え込む元宮君。
響子ちゃんも気になるのか、元宮君の顔をジーッと見てる。
「……優しいところ、笑顔が可愛いところ、素直なところ、照れると真っ赤になるところ、機嫌がいいと歌い出すところ、隠れて泣くところ、意外とイタズラ好きなところ、喜怒哀楽がわかりやすいところ、あと、」
「ちょ、ストップストップ!!」
なんか、色々とツッコミどころがあるけどシンプルに恥ずかしい!
というか、冷静に考えたらなんで初対面なのにそこまで私に詳しいんだろう……
望月君はさっきまでニヤケ面だったのに、元宮君の話を聞いてからは、口角が引きつっていた。
これは完全にドン引きしてる。
「………は?夏秋、お前、昨日初対面なんじゃなかったのか…?」
「え、うん……そうだよ……?」
「初対面だろうがなかろうが、俺と柚月は一緒になる運命なんだよ。他のやつには渡さねえ」
元宮君が喋れば喋るほど、"本当に本気で言ってる''んじゃないかって気持ちになってしまう。
望月君はさっきとは打って変わって少し気味悪そうに元宮君を見つめていた。
響子ちゃんは目を丸くして元宮君を見ていたけど、心なしかさっきより目線が柔らかいような…
「……アンタ、からかってるんじゃないんだ」
「だからそうだって言ってんだろ」
響子ちゃんが厳しかったのは、元宮君が私をからかってて傷つけようとしてるって思ってたからなのかなぁ。