俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい
五章

土曜日の昼。


私は部活もなにもやっていない帰宅部なので、土日は一日中暇だ。

たまーに響子ちゃんと遊ぶけど、その響子ちゃんも土日は予定があるみたいなので、暇を持て余している。


ベッドに寝転がりながら少女漫画を読んでいると、プルルルっと着信音が鳴り響いた。



「わっ!びっくりした……って、誰だろこれ…」



登録していない電話番号が表示されて若干身構える。
間違い電話かな?と思いつつも、しばらく鳴りっぱなしだったので恐る恐る電話に出てみる。



「も、もしもし……?」


『出んのおせえよ、柚月』


「ギャーーーーー!!!」



びっくりしすぎて思わず携帯をベッドに投げつける。

え、まさか今の元宮君……?なんで私の電話番号知ってんの?



「も、元宮君でしょうか……」


『奏斗で良いって前も言っただろ』


「なんで私の電話番号知ってるの……」


『クラスの女から聞いた』



人のプライバシーをなんだと思ってるんだろう…

多分、一年の時私と同じクラスだった女子に聞いたのかなぁ。

まぁそれは置いといて、一体なんの用でかけてきたんだろう。


「そ、そう……それで、なにか用かな…?」


『お前明日暇だろ。俺に付き合えよ』


「いや、いきなりすぎだよ!!暇だけども!」



あ、つい明日暇なこと言っちゃった。



『暇なら良いだろ、言っとくけど強制だから』


「私に拒否権は……」


『俺の言うこと聞けねえの?』



お、俺様すぎるよ……

さっき読んでた少女漫画にも彼みたいなキャラクターが出ていたけど、本当にこういう人いるんだなぁ…


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