俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい
「ねーねー、転校生の子見た?」
「見た見た!!もうマジヤバかった!」
「超カッコよかったよね〜!モデルとかやってそう〜!」
廊下からは女の子達の黄色い歓声が聞こえる。
皆揃いも揃って"超イケメン"って言ってるけど、そんなにイケメンなのかな……
「本当くっだらない」
ソワソワしてる私とは違い、響子ちゃんは綺麗な黒髪ストレートをパサリとなびかせて吐き捨てるように言った。
響子ちゃん程の美少女になると、最早そこら辺のイケメンなんかには1ミリもなびかないんだろう。
おまけにちょっと毒舌でこのクールな性格!
気高いと言うのは響子ちゃんの為にある言葉だと私は確信しているよ。
「え、でもちょっと気になるような〜……そんなカッコイイのかなぁ……」
「なに、柚はあんなの気になってるの?いつもくだらない事でキャーキャー叫んでる人達の事なんか信じない方が良いと思うけど」
呆れた顔で私を見る響子ちゃんに内心冷や汗をかいてしまう。
だって本当はめちゃくちゃ気になってるもん。
こんな地味な私でもイケメンは普通に大好きだもん。