俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい
六章
元宮君と二人でデート(?)したことが嘘だったかのように、いつも通りの学校生活が送られた。

意外にも元宮君は学校では直接的に関わってきたりはそんなにしない。

ただすれ違うとガン見されるだけで、特になにも言ったりしに来ないのがなんとなくもどかしくは思う。




『柚月、明日暇だろ』


「出たよ、そのセリフ……前も聞いたよ」



家に帰ってしばらくしてから元宮君から電話がかかってきた。

学校で関わらないからと言って全く接点がない訳ではなく、三日に一回ペースで電話がかかってくる。

最初こそは慣れなかったものの、何回か話してるうちに相手のペースも掴めてきて、最近ではわりと楽しんで会話している。



「まぁ暇なんだけど、どうかしたのかな」


『ボウリングやりにいくぞ』


「これまた急な……」


『この間練習したからいい所見せれる』



こういう健気な所は可愛いと思う。

恋愛対象というよりは弟的な感じで見る可愛さだけど、彼にこれを伝えると怒りそうだから心の中に留めておく。



「二人でボウリングかあ」


『……良いから着いてこい。12時に前と同じ所で待ってるから』



プツンと電話が切れた。

ちょっと強引な所もあるけど、なんだかんだ行っちゃう私も私だと思う。


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