俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい

「よーーーし!!!元宮君、勝負だ!!」


「ぜってー柚月には負けねえから」



いざボウリング場に来るとやっぱり燃えてしまうもので。

元宮君も練習した事もあってかこの間のような甘い雰囲気ではなく、真剣にボール選びをしている。


ふっ、確かにボールの選び方は大事だね。
ボールの重さ、指の穴の形によって全然違うのだから。

女性は軽い方が良いと思われがちだけれど、軽いと重心でボールが上手くピンに当たらない。


裏をかいて重めのボールを選ばせてもらうよ!元宮君!!



「あっ、すいません!どうぞ、取ってください」


「あー、ごめんね、ありが……」



ボールを取ろうとした時に他の人と被ってしまったので反射的に譲ろうとすると、思わず相手の顔を見て固まる。

それは向こうも同じで私の顔を見て固まってると、後ろから「柚月?」と様子を見に来たのか元宮君の声が聞こえた。

い、嫌な予感が……


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