俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい
「でもさー、俺も元宮となんで仲良くしようと思うのかはちょっと分かんないよ?正直さ」
「もっちーは元宮君嫌い?」
「嫌いだよ」
えっ、と思わず声に出てしまう。
ニコニコしながら意外なことを言うからびっくりしたよ。
「き、嫌いなの…?苦手ぐらいだと思ってた」
「生意気じゃん?」
「いや、まぁそうなんだけど…もっちーそんなに態度変わってなかったから……」
「あー……なんか険悪な雰囲気?とか、そーゆーの、嫌いなんだよね」
そう言いながら真剣にアームを動かしていると、ついにお目当ての物を取る事に成功したみたいだ。
「うおっ取れた!俺の1200円が無駄にならなくて良かった〜!!」
「おめでとうもっちー!!!響子ちゃん絶対喜ぶよ!!」
いえーい!と二人でハイタッチしてると、背後からなにやら視線を感じる。
「おい!俺の柚月に触んな!!」
「めんどくせー奴も戻ってきたなー!そもそもお前のじゃねえよ!」
顔を真っ赤にして怒る元宮君に、望月君は舌をべーっと出して煽ってる。
響子ちゃんはと言うと、またずっと考え事をしてるみたいで今度は下を向いていた。
「響子ちゃん?」
「……ん、なに?」
「あ、いや……あ!!響子ちゃん、もっちーが響子ちゃんのためにえだまめ小僧取ってくれたよ!!一生懸命響子ちゃんのために!!」
「そうなんだ、望月ありがと。でも、なんで二回言ったの?」
「大事なところだから!!!」
きっと自分のために一生懸命取ってくれた事を知れば、もっちーの好感度が更に上がるに違いない!
ナイスアシストしたでしょと言わんばかりに望月君にピースサインを送るも、なぜか微妙な顔をされた。なぜだ。