俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい
響子side
響子ちゃん、と柚が私の名前を呼ぶ。
自分でもよく分からなかった。
柚が私以外の人と仲良くしているのが嫌なだけなら、私はこんなに悩んでない。
むしろ、そうだったらどれだけ良かっただろう。
『……柚の方に行かなくていいの?』
『一人で回るつってたし。それに、お前だけ残して行く奴の事なんて柚月は好きにならねえよ』
口角を少し上げて笑顔を作る元宮。
柚以外、全部変わらない。
頭の中は柚でいっぱいなんだ。
私に媚びる訳でもなく、ただ素直に愚直に、柚月のことが好きなんだ。
誰よりもカッコいいのに、純粋に人を好きになれる元宮が羨ましくて……
そんな風に愛される柚月が妬ましくて堪らなかった。
だから、柚は私に笑顔を向けないで。
私には、柚に好かれる資格なんてないから。